
この作品は長大な土木構造物のデザインはいかにあるべきかを示す好例といえる。桁の色彩は四季を通じて環境に調和しているし、簡素な土間をイメージさせる舗装材がパターンを付けずに均一に敷き込まれているのも好ましい。練りに練られた計画が盛り込まれていることを知る。透明性のある高欄は舗装や桁の色彩と調和し、雄大な周辺景観を阻害することなく楽しむことができる。周辺景観の検討と、歴史資源の調査から導き出されたデザイン要素が、華美に走らず質実にまとめられていることに好感が持てる。

震災後、新浦安駅前も急ピッチで変わっていった。道路も整備され備わるシェルターもその一つである。新たなシェルターは温かみのある色彩の舗装材と調和している。屋根の端部をシャープに処理することによって、屋根を薄く軽快に見せている。また雨水の樋を柱内に取り込むことによって、余計なものが見えないすっきりとした外観となった。駅舎や周辺ビルからの眺め降ろす視線への考慮が感じられる。柱は木目調で仕上がっているが、機能上、柱は最小限の寸法に抑えるべきものなので、今後の改善課題としていただきたい。
住宅建築外壁に利用する既製品ルーバーのあり方として、新しい提案となっている作品。高層マンションのファサードは通常さまざまな要素で構成され、まとまりのない印象になりがちだか、本作品はコンクリートスラブを基調とした木目調のルーバーの組み合わせによって、簡潔でありながら陰影の深みと奥行きを感じさせるファサードに仕上がった。乱雑になりやすい都市景観を引き締め、品格を引き上げる建築としてパブリック部門にふさわしい。

- 天野工業株式会社 様
- 株式会社太田住建 様
- 新潟外構センター 様
- 株式会社ケーエヌジー 様
- 株式会社東北工商 様