この作品を評価したポイントは、ハピーナとM.グローリアという異なる商材を使いながら、木調の仕上げと布のシェードによって、違和感なく連続させ、まったく新しい景観をつくり出した点にある。横長の建築と庭をつなげる手法として、新しい工夫を提示したことは、高い評価に価する。ガーデンルーム、半屋外テラス、そしてM.グローリアの構造部のみを活用した中間領域を、あたかも造り付けのような一体感をもって、スケール感ある回廊のように配置した。多様なアウトドアリビング形態を連続させることによって、内外の領域を見事に豊かに変えることに成功した。

インテリアとエクステリアの一体感が並大抵ではないこの作品は、底知れぬデザインセンスの高さと圧倒的な空間実現能力を感じさせる秀作である。白系の床タイルと建物内壁と塀の白、室内のどこからも見ることができるヌケを感じさせる株立ちの木々の爽やかな葉と芝生の緑の対比が素晴らしい。室内とデッキの床タイルがほぼ同じ高さに設定されているので、ガーデン空間がそのまま室内に入り込んでくるイメージを感じさせる。建物とのコントラストが効果的な塀もフェンスで圧迫感が和らげられ、塀からのぞく植栽は、街並み景観に貢献している。