グランフェイス デザインディレクター: 大熊 一幸氏
初めまして!本年より審査員に新しく加わらせて頂きました。エクステリア業界の発展に繋がるような数多くの力作を目にすることが出来て大変光栄です。いずれの作品もこだわりや想いが詰まっていて、とても優越つけがたいと感じました。ハードウェア(金物)とマテリアル(仕上げ)、そしてナチュラル(自然系)との融合がなされた作品の良さは、コンテストにはとても重要です。選ばれた作品の多くはそういった面が、考え抜かれたバランスにより施され、意匠と住まう家族の喜びと笑顔が集い結びついた場所と感じてもらえると良い結果に繋がるかと思います。コンセプトの違い(シンプルモダン・ナチュラル・和モダン・エレガントなど)や、個々が持つスタイル、テイストが違えば順位をつけるのがとても難しい。しかしながらそれぞれに巧さもあり、最終的に選ばれた作品には伝わる想いと完成度という大きな要素がしっかり見て取れ、上位になったように思います。「伝える」、「魅せる」ということはどういったことなのか、そして「完成させる」とうことはどういうことなのかをしっかり理解し、理由ある空間造りを目指して頂けると評価に繋がるかもしれません。是非、自慢出来る作品となるよう心より願っております。
ガーデンコンシェルジュ アトリエ彩 代表: 中尾 きみこ氏
2013年最終審査は、接戦となる作品が多く、ここ数年で作品の全体レベルがぐっとアップしたことを実感、難しい審査となりました。高いレベルの中で必勝を期すデザインは簡単ではありませんが、審査選考基準を満たすだけでなく、新鮮な発想が必要な段階に入ったことが感じられます。デザイン部門では、ファサードに多用されていたM.シェードをプライベートガーデンでダイナミックに用いて上質な庭空間を創り上げた作品が大賞を、プランニング部門でも、斬新な空間構成を提案した作品が大賞を受賞しました。また、地域性をプランニング、デザインに反映させた作品が初めて登場しました。以前は珍しかった標準品に汎用部材を用いてオリジナリティを表現する作品も増え、リフォーム部門でも相当なレベルアップが見られました。一方、大賞、ゴールドデザイン賞については、ここ数年で受賞の必須条件が自然とハイレベルに設定されてきており、ゴールドデザイン賞無しの部門が出るという残念な結果にもなってしまいました。プランナーの仕事の魅力は限りない進化と挑戦を続けてゆけることだと思います。今後の新しいステージを切り拓く更なる高いレベルの作品登場を心より願っております。
株式会社リクルート住まいカンパニー 編集長: 福澤 佳恵氏
エクステリアが持っている力を、改めて感じる―――そんな審査会となりました。外まわりのつくりにより、建物自体の「格」が大きく上がったり、庭のデッドスペースが、家族だんらんを生み出す室内空間として生まれ変わったり…そこに住む人の気持ちや暮らしが大きく変わったことが手に取るように想像できる。そんな作品が多かったと思います。 お施主様からよく聞く、印象的な言葉があります。「坂をのぼって帰ってきたときに、自分の家が見えると毎日かっこいいな、って思って。『あぁ、帰ってきたんだ』と実感します。」お施主様の言葉の中では“外観”の中に含まれて語られることの多いエクステリアですが、家に対する誇りと愛着を一段と感じさせるものなのでしょう。 また、「家にいる時間が快適になって、カフェやキャンプにいかなくなりました。休日の暮らし方が大きく変わりました。」という声も増えています。ホームパーティー、イエ飲み…日本においても、家での暮らしを充実させる方向に人々の目が向いている今。ガーデンルームやアウトドアリビングなどの新たな提案が、暮らしをより充実したものにしていくのだと思います。より豊かな住空間が、家族の笑顔を生む。そんな提案が今後ますます増える期待に、胸が躍りました。